2020/4/27
内多 勝康 様
元NHK アナウンサー
今、医療的ケアが必要な子どもは、全国に約2万人。
それと同じ数の家族が、我が子の命を守るケアを担いながら暮らしています。
今の日本ではほとんどの地域で、医療的ケアを理由に保育園や幼稚園への受け入れが認められず、子どもたちは友達と一緒に遊んだり学んだりすることが制限されてしまいます。人工呼吸器を付けていると、親の同伴がなければ学校へ通うことすらできません。
親は深夜早朝もケアに追われ、まとまった睡眠がとれません。ケアを他の誰かに託すことができなければ、外出も自由にできず、自分の体調がすぐれない時でさえ病院に行くのを我慢せざるを得ない人もいます。
「当たり前のことができなくなる」
それが、医療的ケアが必要な人と家族が直面する現実なのです。
mamacareは、その現実を少しずつ変えていきたいと、当事者家族を中心に活動を開始しました。社会活動とは無縁だったお母さんたちが、「子どもたちの未来を変えたい」という想いで立ち上げたグループです。
どんなに重い病気や障がいがあっても、当たり前のことが当たり前のようにできるようにしたいと思うのは、至極当然のことです。
子どもは子どもたちの中で楽しい時間を過ごし、親は安心して子どもを託せる場を得ることで自由な時間を取り戻し、それぞれが自分らしい暮らしを続けていくことができます。
それは何も、医療的ケアがあるなしに限ったことではなく、すべての人にとって保障されるべきことだと思います。
ただ、日本の社会は、まだそこに納得のいく答を見い出せずにいます。
mamacare は、その答を求めて動き出しました。
遠い道のりであることは間違いありませんが、それを承知で貴重な一歩を踏み出しました。
私は、その勇気にエールを送りたいと思います。
同じ志を持った家族たちが、今、全国で活動を始めています。
それがいつかは一つの大きなうねりとなり、当たり前のことが当たり前にできる社会を生み出す推進力となることを期待しています。
2020/4/28
神田橋 恵理子 様
パイロットインターナショナル
東京パイロットクラブ所属
医療的ケア児(医ケア児)のご家族は、お子さんの命を守るため24時間の見守りを365日続けています。使える社会福祉制度も大変に限られています。
でも、このことはまだまだ世の中に認知されていません。私がパイロットクラブのボランティア活動を通じてmamacareさんのことを知ったのも、ほんの2年前でした。
「数か月に一回でいいから、安心して子供を預けながらゆっくりと一杯のコーヒーを飲みたい」「病気の子が中心になりがちで日ごろから我慢を強いられている兄弟姉妹たちに、思いっきり楽しめる時間を持たせてあげたい」というご家族のささやかで切実な希望が、その大変さを象徴しています。
クラウドファンディングは、多くの人が少しずつお金を持ち寄るツールです。これにより、資金を調達できるだけでなく、いろんな人たちが医ケア児とその家族の実態に興味を持つきっかけになると考えます。社会福祉制度の改正にもつながると期待しています。
2020/5/6
石井 英寿 様
有限会社オールフォアワン 代表取締役
介護福祉士 ケアマネージャー
宅老所いしいさん家 代表
世知辛い世の中が、さらに世知辛くなってきた今日この頃。
経済優先と言っているお偉い方さま。
今回のコロナ禍で、本当の幸せがなんなのか
少しは気づいた人もいるのではないでしょうか。
人とのつながりがこんなにも大切だったと身に染みた人もいるでしょう。
経済がストップしている今、空気がきれいとか感動した人もいるでしょう。
仕事で忙しくて家族との時間がこんなにも大切だったと気づいた人もいるでしょう。
―――
もちろん経済は大切だけど、人間にはもっと大切なものがあります。
経済優先になると効率を求めてしまいます。
効率を求めると、今度は非効率の人が置いてきぼりになってきます。
そういった人たちに合わせていかないと本当の幸せはつかめない。
本当の幸せとは、物が豊かになることじゃなくて心が豊かになること。
それは、同じ人間なのだから、許しあったり認め合ったりすること。
ママたちは、色々と将来の家族像を描いていたかもしれない。
それが叶わなくなったこともある。
でも、医療ケアが必要な子がいてくれた子のおかげで
裕福な家庭の人たちより、人間にとって、人生にとって
本当の幸せがなんなのかを見つけられたのかもしれない。
そんなママに少しでもホッとできる時間を。
「今」を生きている医療ケア児に遊び場を。
2020/5/6
明石 誠一 様
明石農園 代表
「脳死は死んでいなかった」
「1/4の奇跡」というドキュメンタリー映画を見て知った
寝たきりの人は、今の私たちと同じように何かに思いをめぐらしたり、感じたりしていた
横で話している内容は全部聞こえている
重度の障害がある陸くんに
お母さんがご飯をミキサーにかけて管を通してあげる
お腹にご飯が入ると口をもぐもぐする
高校生へ通う陸くんには
お母さんは毎日学校までついて行って、学校で待っている
同じ思いを抱えていた同士が病院のベットで出会う
ひとりじゃなかった
涙が乾いてきた
長いトンネルが少し明るくなった
きっと同じ思いをしているママたちがどこかにいるよね?
涙を流し、孤独に過ごす家族がひとりもいなくなるように
「ママケア」を立ち上げた
お金=思い
思いを実現する
そのためにお金を使えるのはありがたい
生き金になる
母の愛が実現するために
皆さんの支援が必要です
よろしくお願いいたします
2020/5/6
磯田 英穂 様
難病児を抱える主夫防災士/MIT 代表/一般社団法人 危機管理推進協会理事/防災啓蒙団体そなえ72事務局長/埼玉県専門家ボランティア
(保護者視線での応援メッセ)
十数年前、我が家に待望の二人目が生まれました。
その産声は、力弱く、全身真っ黒、わずか20時間で彼の鼓動は止まってしまいました。その後、奇跡の復活を遂げましたが、暗中模索の日々が続きました。
ママケアとの出会いは、数年前のとある講座。それまで、手探りでひとりぼっちの世界を彷徨っていた感覚からの開放を感じました。
ママケアは、医療的ケア児とその家族に、少しでも笑顔で過ごしてもらいたいと活動されている団体です。
どんな悩みも、一人で悩むより夫婦で、家族で、仲間で共有することで解決できなくても、笑顔に繋げることが出来ます。
一人でも多くの方々の笑顔の花が咲くためにも必要な活動。
私自身が経験したから言えます。
ママケアをよろしくお願い致します。
(防災士視線での応援メッセ)
近年自然災害等が頻発しています。
行政等が主導してきた防災。難病・障害等を有するマイノリティへの対応は遅れがち。
しかし、災害は区別をしてくれません、全ての人に同じように降りかかります。
東日本大震災では、乳幼児を抱えるご家庭の避難所生活の労苦が取り沙汰され、各地でママによる防災啓蒙団体が立ち上がりました。
ユニバーサルな社会とは、マイノリティとマジョリティの区別の無い社会です。
ママケアは、医ケア児とその家族に対して、災害時にどう過ごすか?をテーマとして活動も続けてくださっています。
実体験を基にした「医療的ケア児がいる我が家の防災ノート」は、行政に頼りすぎない防災への備えとして重要なキーワードになると思います。
ユニバーサルな防災行政を進めるためにも、自立した取り組みへの応援しております。
2020/5/9
民部 佳代 様
ふじみ野市議会議員
生きていくために医療の助けが必要な子どもたち。
医療的ケア児は子どもによって必要な支援が多様で、身体障害・知的障害といった今までの福祉サービスの枠組みからもこぼれ落ちてしまいます。
病院での治療で命をとりとめたあと、専門的な知識や技術もないまま医療のケアが必要な子どもとともに家庭に放り出される保護者たち。十分な支援や情報もなく、壊れそうな命を抱えて不安な日々を過ごすことになります。
そんな保護者と子どもが、悩みを話したり、情報交換をしたり、ちょっと息抜きをする場を作りたいと、当事者が立ち上げたmamacare(ママケア)。
仲間と繋がったことで、長いトンネルの中で光を見つけたようだと話す母親もいます。
当事者とボランティアの看護師や大学との協力でスタートしたmamacareも、いまでは地域の支援者のほか企業や行政も巻き込み、流動食の工夫や災害時の備えなどを学ぶ講座、子どもと一緒に楽しむコンサート、行政との意見交換など、活躍の場をどんどん広げています。そのパワーに、私自身もいつも新しい気づきや諦めない勇気をもらっています。
かつて不安で毎日泣いていた自分と同じような思いをする家族をなくしたいと前向きに行動するmamacare。医療的ケア児が社会の一員として、当たり前に学び、暮らしていける日がくるまで、その活動は必要とされることでしょう。
2020/5/26
宮脇 文恵 様
宇都宮短期大学 人間福祉学科教授
「mamacare」の皆さんとじかにお会いしたのは,2018年 の「mamacare 5周年記念シンポジウム 医療的ケア児の今と未来を考える」というイベントでした。会場は活気に満ちていて,「mamacare」のお母さんたちからも,サポートしている行政の人たちからも,熱意と緊張感と高揚感が伝わってきて,こちらまでワクワクしました。このシンポジウムの内容はもちろん素晴らしかったのですが,一番印象に残っているのは,子どもたちが同じ会場に,それも前方にいたことです。フラットな床の前方に,医療的ケアを必要とする子どもたちが,車いすに乗ったり,床に座ったりしながら自由にのんびりと過ごしていたのに,ビックリ。障害のある子どもたちがこんなにたくさん,同じ会場にいる。彼らが彼ららしく,主役として前の方にいる。そうだ,これが本来の社会なのだ。障害がある子も,ない子も,大人も,誰もが「同じ場所」にいられるのが,本当の社会なのだ,と,深く感動したのを覚えています。
シンポジウムで見た,藤川さんが作った動画には,自分の頭の中で知った気でいた医療的ケア児とそのご家族の生活が,リアルに,描かれていました(しかもユーモアをもって描かれていたのが,すごい)。あまりの大変さに,私は言葉を失いました。私だったら,子どもと自分の生活で精いっぱいになってしまって,周りが見えなくなってしまい,さらに社会を恨んだかもしれません。しかし,「mamacare」は,そんな大変な状況のお母さんたちご自身が集まって,「孤独に歩くママたちを一人でも減らしたい」と作られました。その思いとエネルギーと行動力に,心の底から敬服します。そして,「mamacare」が開催している様々な勉強会や楽しい行事などで,どれだけ多くの医療的ケア児のお母さんたちが元気をもらっているでしょうか。「私はひとりじゃない」と,勇気づけられて,子育てをされていることでしょう。
以前,藤川さんと飯島さんに授業にゲストで来ていただいて,医療的ケア児のことを教えていただいたことがあります。受講した学生たちは,「今日のことは,絶対に忘れない」と,口々に真剣に言いました。これからも,どんどん医療的ケア児やそのご家庭のことを授業でとりあげ,社会に広めていきます。そして,「mamacare」の皆さんをはじめとして,医療的ケア児の皆さんやご家族の方々が,地域で当たり前に学校に行けて,当たり前に親御さんが働けて,当たり前に兄弟と楽しく過ごせて,当たり前に楽しい行事を楽しめて,という社会に,みんなでしていきたいです。